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 ドクトルジバゴ
2004年03月23日(火)
 何故1ヶ月もここを放ったらかしにしていたか、それは人が何故成長を続けるのかという問いに等しい。

 人生の課程において何かを得る時、それは何かを捨てる時である。そういう時にどうして皆はそんな簡単に取捨選択ができるのだろうか、僕だけが非常にのろまなのかもしれない。結果的に何も決められず何も進まないまま、ただ時間だけが湯水のごとくダラダラと過ぎて行く。どのような場合でもやはり考え過ぎるのは上手くない方法だ。
 右へ行くか左へ行くかという二つの選択肢があった時、どちらを選ぶか、その答えは「右」とか「左」とか一言で済むような簡単な答えなのだ、理由などその道を行ってしまった後では意味など無くなってしまうのだから。何も考えずに進むのが一番近道なんだ。

 しかしどうやら僕は何も考えないで進むのが嫌だ、もっとよく考えて進みたいと思ってしまうみたいだ。こればっかりはもうどうしようも無いのかもしれない。
 ではどうすればいいか、そんな方法論など存在せず、自分なりに模索していくしかない。その自分なりの方法論をを他人に伝え様とするのだが、口で説明するとしどろもどろになり、文章にするとただただ冗長で意味不明な物になってしまう。これはもう言葉にはできないんだろうけど、少し分かった事をキーワード化するならイノセンス(無垢)という事である。(アニメ映画『攻殻機動隊イノセンス』は関係無いよ)

 はあ? おめ何言ってんの? とキミらが言うなら「うえーん、言いたい事言わせてちょ、迷惑かけてないしいいでしょ?」と答える、それがイノセンス。
 えーっと、もっと分かりやすく言うと、僕は無垢なる者にあこがれちゃってるの、イノセンスな人になりたいなあ、と。

 参考に僕が「お、これはイノセンス(無垢)だな、と思う物」をいくつか上げつつ、説明していく事にする。

 ・イノセンスという言葉をどこで知ったかというと「ほぼ日刊イトイ新聞」『MOTHER』関連の文章が出典。
 どせいさんっていうのは、「イノセント」の象徴なんです。社会の普通の場面では、うまく適応できないけど、実は人並みはずれた力をじつは持っていたりする。そういう「無垢の力」みたいなものを、ぼくは、すっごく好きなんですね。『情熱のペンギンごはん』のペンギンにも、そういう役割をさせていたりしたし。あ、『フォレスト・ガンプ』なんかもそうでしょう。ああいう「イノセント」な登場人物を、みんなにも好きになってもらいたいし、ちゃんと見てほしいと思ったからゲームのなかに入れておいたんです。最初は、「どせいさん」って呼んでなかったんですけど、開発中に、そういう名前を獲得しましたね、あの人たち。

 ・イノセンスってのは始めから無垢なんじゃなくて、最初は全然無垢じゃないんだけど後から覚悟を決めて無垢になろうとする事だと思う。その例が岡本太郎(ほぼ日)。岡本太郎の奥さん曰く「太郎さんは最初からああいう人じゃないのよー、よし! 今日から俺は岡本太郎になろう! と思って皆がよく知ってる岡本太郎になったんだよ」との事。
 だけど岡本太郎はたしかにイノセンスな人物なんだけど、彼に憧れる事や目標にしてる人はイノセンスじゃないんだよね。岡本太郎彼を理解しようとしてはダメ、ましてや岡本太郎の奥さんに「あなたは太郎さんの言ってる事をちゃんと理解してるわ!」なんて誉められるようじゃダメなんだよね。

 ただ単に無垢なる者になるだけなら、年をとってたら皆無垢に近づいていく、子供に帰っていくからね。例えば僕が店でレジ打ってると、頭に髪の毛をくるくる巻くカーラーを一本後頭部に付けたおばちゃんが居て、本人はそれに気付いてないみたいで僕はそれ見て最初笑ったのね。数日後その同じおばちゃんが店にやってきて、見ると頭にカーラーが十本ぐらい付いてるの、なんかパワーアップしてんの。わざとやってるんだよねそのおばちゃんは、完全に気にしてない、そんな事より髪の毛を巻きたいんだという事でしょ多分。
 だから別に無垢なる者になろうと思わなくても、年をとってたら勝手に色んな事があまり気にならなくなって無垢に近づいていくんだけど。僕の中でのイノセンスっていう言葉の意味は、一つのセンスとしての「無垢」自ら得た「無垢」だと考える。実際今僕は23歳だから分からないんだけど、年をとって自然に無垢になるってのは何か自由じゃないような気がする。23歳にして60歳の人や5歳児と同じ様に考えて行動できたらすげー自由で超楽しいと思う、それがイノセンスなんだ。

 ・歴史上の人物でも現在生きてる人でもイノセンスを感じる人達ってのは沢山居るんだけど、共通してるのはやはりとても自由ですごい人生を楽しんでるって事なんだよね。TVタレントで言うなら北野たけしとか、子供であり老人、バカであり天才、素人であり玄人、って感じ。じゃあ僕らと同じぐらいの世代でそういう人物は居るかっていうと、居る。それがB-DASHのボーカルGONGONなんだよね。
 「Gongon Room」で彼が書く日記を読んだ時ものすごい衝撃を受けて、その日からファンになった。後に何故僕はGONGONを好きになったかと考えた、何故なら一見GONGONはただのバカに見える。他の人にGONGONの日記面白いよって紹介しても、「あーオモロイなー」で終わっちゃう。もしかしたらただのオモロイバカなのかもしれない。しかし僕の中で猛烈にGONGONに惹かれるものがあって、それは一体なんだろう、と考えてくうちに先の糸井重里の文章や岡本太郎などを知り、彼の持つイノセント(無垢)に僕は惹かれていたのだと、彼こそが僕らの世代のイノセンスなのだと導き出した。


 では右と左の道を選ぶ選択に立たされた時どうするか? という最初の問いに戻ろう。今の僕ならその道を行く事が「イノセンス」かどうかで決めるつもりなのだが。これがなかなか上手くいかないそう簡単にイノセンスを得る事はできないよね。まず第一にイノセンスな人物に憧れてる人はイノセンスにはなれない。僕の場合だと、僕はGONGONという人物に憧れてるが、結局は決して彼の様な自由な生きかたはできないという事。自分の中でのイノセンスを見つけなければならない。

 先の岡本太郎のサイトのみうらじゅんのインタビューを見て欲しい。

 (岡本太郎の絵を見ながら)
 ── みうらさんは、いわゆる現代アートのようなものってお描きになるんですか?
 みうら 描いたことないねえ。あ、でも、こういう絵って人と電話してるとき描くじゃん?
 ── 電話してるときに(笑)。はい。
 みうら 電話してるときって、へっんな絵、描くでしょ?グリグリグリーって。ボールペンで。でも、ふつうは、電話していないかぎり、こういう絵って、出てこないよね‥‥。この人は、電話してないもんね!


 ── みうらさんだったら、この庭(岡本太郎記念館みたいな所の太郎が生前作ったオブジェがいっぱい置いてる庭)今後どうデザインされますか?
 みうら この庭ですか?そうですね、とりあえず、これ、ぜんぶ、どけますね。
 ── ははははは。そうですか。
 みうら どけます。庭として、使います。


これ読んだ時笑ったんだけど、よく考えると別に岡本太郎をバカにしてる訳じゃなく、みうらじゅんは岡本太郎に影響されつつも、自分だけのイノセンスを獲得してるんだと思った。だからこそ、みうらじゅんもまたイノセンスな人物だと僕は思う。


 さて、「イノセンス」という言葉についていつかここに書こうと思ってたんですが、長くなりそうだし上手く伝える自信も無かったので、いつかねとらじでラジオやった時にでも喋りたいなあと思ってたけど、今書いてみた。てか1ヶ月も更新してない言い訳として書いてみたんだけどね。
 あとアニメ映画『攻殻機動隊-イノセンス-』ですが、僕が書いた意味でのイノセンスとは全く関係ありませんよ。でもこの副題を「イノセンス」と付けたのはジブリスタジオの何とかって人で、CMで流れてる宣伝コピー「イノセンス、それはいのち」ってのはコピーライターである糸井重里が考えたらしいよ(ジブリのコピーは毎回糸井が書いてる)。でも糸井重里が考えるイノセンスと僕が考えるイノセンスとは言葉の概念が違うと思うから、この映画の裏テーマみたいなのが僕が思ってる事とは全然違うはずです。なのでそれと分ける為にも、僕が今回書いた事をひとつの概念として「イノセンス思考」と名付ける事にします。ちなみに映画はまだ見てません、もうちょっと暖かくなったら見に行こうかなと。

 それから先週から禁煙しようと思って、というのも僕が吸ってたラッキーストライクウルトラライト(僕はラッキーの青いのんと呼んでた)が製造中止になったので、もう止めよかなと思った。で今日挫折してマイルドセブンの1ミリのんを買ってしまいました。これがくそマズイというか薄い、空気みたい、これを吸っていけばその過程でやめていけるかなと。ヘロインに対するメサドンみたいな離脱方法。

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